◆SH3280◆中国:民法典の制定――人格権編(下)~名誉権、個人情報保護、プライバシー~ 鈴木章史(2020/08/25)

中国:民法典の制定――人格権編(下)

~名誉権、個人情報保護、プライバシー~

長島・大野・常松法律事務所

弁護士 鈴 木 章 史

 

名誉権

 民法典は、名誉とは、民事主体の品格、名声、才能及び信用などの社会評価であるとしたうえで、いかなる組織又は個人も、他人の名誉権を侮辱、誹謗することは許されないとし(1024条)、名誉の定義と名誉権の侵害が民事上の責任を構成することを明確化した。名誉権の保護は表現行為との間で衝突が生じるため、その利害調整をどのように行うかが常に問題となるが、この点について民法典は、新聞報道等による表現と芸術作品等による表現の場合に分けて例外規定を設けている。具体的には、公共の利益のための新聞報道、世論監督などにより他人の名誉に影響が生じた場合、当該行為者は民事責任を負わないとしたうえで、(1)事実を捏造し歪曲した場合、(2)提供された事実に反する重大な内容について合理的な確認を行わなかった場合、(3)侮辱的な言葉を使用して名誉を傷つけた場合については、例外とするとされている(1025条)。また、文学、芸術作品において実話や実在の人物又は特定の人物を取り上げ侮辱や誹謗によって名誉権が侵害された場合、被害者は民事責任を追及できるとしたうえで、例外として、当該文学・芸術作品が、人物を特定せずにそのシナリオ・プロットが特定の状況に類似することだけを以て民事責任は生じないとされている(1027条)。

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(すずき・あきふみ)

2005年中央大学法学部卒業。2007年慶應義塾大学法科大学院修了。2008年弁護士登録(第一東京弁護士会)。同年都内法律事務所入所。2015年北京大学法学院民商法学専攻修士課程修了。同年長島・大野・常松法律事務所入所。主に、日系企業の対中投資、中国における企業再編・撤退、危機管理・不祥事対応、中国企業の対日投資案件、その他一般企業法務を扱っている。

長島・大野・常松法律事務所 http://www.noandt.com/

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