◆SH3274◆厚労省、第162回労働政策審議会労働条件分科会――「副業・兼業の場合の労働時間管理について」及び「労働基準法に基づく届出等における押印原則の見直しについて」を議論 福地拓己(2020/08/20)

厚労省、第162回労働政策審議会労働条件分科会

――「副業・兼業の場合の労働時間管理について」及び「労働基準法に基づく届出等における押印原則の見直しについて」を議論――

岩田合同法律事務所

弁護士 福 地 拓 己

 

1 「副業・兼業の場合の労働時間管理について」

 ⑴ 現在の議論の状況(概要)

 厚生労働省労働政策審議会労働条件分科会において、これまで副業・兼業の場合の労働時間管理について検討が進められてきたが、本年7月30日の第162回分科会では副業・兼業の場合の競業避止、情報漏洩、安全配慮義務等について議論が行われた。議論の中では、以下のとおり、副業・兼業に関し、競業避止、情報漏洩、安全配慮義務等が問題となり得る例が挙げられた上で、具体的な対応例の案が示された。

  1. ア 安全配慮義務について
  2.    副業・兼業の場合には、副業・兼業を行う労働者を使用する全ての使用者が安全配慮義務を負っている。そして、副業・兼業に関して問題となり得る場合としては、使用者が、労働者の全体としての業務量・時間が過重であることを把握しながら、何らの配慮をしないまま、労働者の健康に支障が生ずるに至った場合等が考えられる。
     
  3. イ 秘密保持義務について
  4.    副業・兼業に関して問題となり得る場合としては、自ら使用する労働者が業務上の秘密を他の使用者の下で漏洩する場合や、他の使用者の労働者(自らの労働者が副業・兼業として他の使用者の労働者である場合を含む。)が他の使用者の業務上の秘密を自らの下で漏洩する場合が考えられる。
     
  5. ウ 競業避止義務について
  6.    副業・兼業に関して問題となり得る場合としては、自ら使用する労働者が他の使用者の下でも労働することによって、自らに対して当該労働者が負う競業避止義務違反が生ずる場合や、他の使用者の労働者を自らの下でも労働させることによって、他の使用者に対して当該労働者が負う競業避止義務違反が生ずる場合が考えられる。

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(ふくち・たくみ)

岩田合同法律事務所弁護士。2014年早稲田大学法学部卒業。2016年一橋大学法科大学院卒業。2017年弁護士登録、高井・岡芹法律事務所勤務(~2020年)。著作には、『2020年版 年間労働判例命令要旨集』(共著、労務行政、2020年)、『判例解説 解雇・懲戒の勝敗分析』(共著、日本加除出版、2020年)がある。

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1902年、故岩田宙造弁護士(後に司法大臣、貴族院議員、日本弁護士連合会会長等を歴任)により創立。爾来、一貫して企業法務の分野を歩んできた、我が国において最も歴史ある法律事務所の一つ。設立当初より、政府系銀行、都市銀行、地方銀行、信託銀行、地域金融機関、保険会社、金融商品取引業者、商社、電力会社、重電機メーカー、素材メーカー、印刷、製紙、不動産、建設、食品会社等、我が国の代表的な企業等の法律顧問として、多数の企業法務案件に関与している。

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