◆SH3273◆ベトナム:PPP法の成立④ 澤山啓伍(2020/08/20)

ベトナム:PPP法の成立④

長島・大野・常松法律事務所

弁護士 澤 山 啓 伍

(承前)

⑼ 契約交渉及び契約締結

 PPP案件を実施する民間事業者は、所轄の政府機関との間での権利義務関係を定めるプロジェクト契約を締結する。政令第63号では、①プロジェクト契約は選定された民間事業者と政府機関との間で直接締結され、その後民間事業者が設立した事業会社がその契約に参加するか、契約上の権利義務を承継する契約を締結する形で当事者となる方式、及び②当初から民間事業者と事業会社が共同で政府機関との間で契約を締結する方法を定めていた。PPP法では、後者のみが規定されている。なお、共同事業者である場合には、全ての構成員が契約に署名・捺印する必要がある。通常諸外国では、民間事業者は、PPP契約を事業会社と政府機関との間で締結させ、自らは必要な範囲でスポンサーサポート契約の当事者に留まることで、特別目的会社である事業会社の株主としての有限責任を確保する形を取っているが、上記の形式となっていることで、民間事業会社は事業運営について直接無限責任を負うことになることが懸念される。

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(さわやま・けいご)

2004年 東京大学法学部卒業。 2005年 弁護士登録(第一東京弁護士会)。 2011年 Harvard Law School卒業(LL.M.)。 2011年~2014年3月 アレンズ法律事務所ハノイオフィスに出向。 2014年5月~2015年3月 長島・大野・常松法律事務所 シンガポール・オフィス勤務 2015年4月~ 長島・大野・常松法律事務所ハノイ・オフィス代表。

現在はベトナム・ハノイを拠点とし、ベトナム・フィリピンを中心とする東南アジア各国への日系企業の事業進出や現地企業の買収、既進出企業の現地でのオペレーションに伴う法務アドバイスを行っている。

長島・大野・常松法律事務所 http://www.noandt.com/

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