◆SH3250◆発信者情報開示の在り方に関する研究会、中間とりまとめ(案)を公表 平井裕人(2020/07/24)

発信者情報開示の在り方に関する研究会、中間とりまとめ(案)を公表

岩田合同法律事務所

弁護士 平 井 裕 人

 

1. はじめに

 総務省に設置された「発信者情報開示の在り方に関する研究会」(以下「本研究会」という。)は、特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律(以下「プロバイダ責任制限法」という。)に定める発信者情報開示の在り方に関し、その検討内容をまとめた「中間とりまとめ(案)」(以下「本案」という。)を公表した。

 本研究会において、プロバイダ責任制限法に基づく発信者情報開示請求の対象に電話番号を追加することなどが議論されていることは、既に本HPにおいても紹介されているところである(SH3203 総務省、「発信者情報開示の在り方に関する研究会」(第2回)――電話番号を発信者情報開示請求の対象に追加することも議論に 蛯原俊輔(2020/06/18))。ここでは改めて整理された本研究会の検討方針を紹介するとともに(後掲2)、本案の具体的な検討内容について紹介したい(後掲3)。

 

2. 本研究会における検討の基本的な考え方

 インターネット上を様々な情報が流通する中で、他人の権利を侵害する情報の流通への対策として、情報の流通に関与するプロバイダによる適切な対応を促進するため、平成13年11月に導入されたプロバイダ責任制限法であるが、投稿時のIPアドレス等を記録・保存していないコンテンツプロバイダの出現により、発信者を特定できない場面が増加している(問題点①)。また、プロバイダによる任意開示が期待できない現況下において、発信者特定のためには、コンテンツプロバイダへの仮処分の申立て及びアクセスプロバイダへの訴訟提起という2段階の手続が必要であり、裁判手続の負担が生じている(問題点②)。

 そこで、本研究会では、検討の基本的な考え方を次のとおり整理した。すなわち、発信者情報開示請求に係る制度の趣旨が、権利侵害を受けたとする者(「被害者」)の救済がいかに円滑に図られるようにするか、という点(被害者救済という法益)と、適法な情報発信を行っている者のプライバシー・通信の秘密をいかに確保するか、という点(表現の自由の確保という法益)の両者の法益を適切に確保することにあるとしたうえで、かかる観点に留意しながら上記問題点について検討を行うものとした。

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(ひらい・ひろと)

岩田合同法律事務所アソシエイト。2013年中央大学法学部卒業。2015年東京大学法科大学院修了。2016年弁護士登録。

岩田合同法律事務所 http://www.iwatagodo.com/

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1902年、故岩田宙造弁護士(後に司法大臣、貴族院議員、日本弁護士連合会会長等を歴任)により創立。爾来、一貫して企業法務の分野を歩んできた、我が国において最も歴史ある法律事務所の一つ。設立当初より、政府系銀行、都市銀行、地方銀行、信託銀行、地域金融機関、保険会社、金融商品取引業者、商社、電力会社、重電機メーカー、素材メーカー、印刷、製紙、不動産、建設、食品会社等、我が国の代表的な企業等の法律顧問として、多数の企業法務案件に関与している。

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