◆SH3183◆公取委・中企庁、新型コロナウイルス感染症拡大に関連する下請取引Q&Aを公表 石川哲平(2020/06/04)

公取委・中企庁、新型コロナウイルス感染症拡大に関連する下請取引Q&Aを公表

岩田合同法律事務所

弁護士 石 川 哲 平

 

1 本Q&Aの概要

 公正取引委員会及び中小企業庁は、「新型コロナウイルス感染症拡大に関連する下請取引Q&A」(以下「本Q&A」という。)を公表した。以下では、これまで勧告措置が多く採られている下請代金の減額、本Q&Aで数多く言及されている買いたたき及び不当な経済上の利益の提供要請について説明する。

 

[本Q&Aのうち特に注目すべきものの概要]

番号

問9

 親事業者は新型コロナウイルス感染症の影響で工場を一時閉鎖することにした。親事業者が、この閉鎖中の損失を補填するため、下請代金の額(単価)を一律一定率での引下げを要請することは、下請法上、問題となるか。

 親事業者の損失補填のみを理由として一方的に単価を引き下げて下請代金の額を定める行為は、買いたたきとして問題となるおそれがある。

 新型コロナウイルス感染症対策、協力値引き等の名目を付すなどして、下請事業者に責任がないのに、当月に支払う下請代金の金額から差し引けば、下請代金の減額として問題となる。

 協賛金の提供を要請し、指定口座に振り込ませたりすることにより、下請事業者の利益を不当に害する場合には、不当な経済上の利益提供要請として問題となる。

問11

 親事業者が、下請事業者に対し、顧客の安全確保に必要な作業や安全性等に係る広報活動への協力を要請することは、下請法上、問題となるか。

 無償で役務を提供させるなどして、下請事業者の利益を不当に害する場合には、不当な経済上の利益提供要請として問題となる。

問12

 現状を踏まえ、追加的に衛生管理の強化が義務付けられたが、その対応ができないことを理由に取引を切られないか心配だ。

 安全管理を強化したことにより生じる費用を考慮せず、一方的に下請代金の金額を据え置く場合には、買いたたきとして問題となるおそれがある。

 

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(いしかわ・てっぺい)

岩田合同法律事務所弁護士。2010年慶應義塾大学法科大学院修了。2013年弁護士登録。2017年4月から2020年3月まで公正取引委員会勤務。独占禁止法・下請法を中心とした企業法務全般を取り扱う。

岩田合同法律事務所 http://www.iwatagodo.com/

<事務所概要>
1902年、故岩田宙造弁護士(後に司法大臣、貴族院議員、日本弁護士連合会会長等を歴任)により創立。爾来、一貫して企業法務の分野を歩んできた、我が国において最も歴史ある法律事務所の一つ。設立当初より、政府系銀行、都市銀行、地方銀行、信託銀行、地域金融機関、保険会社、金融商品取引業者、商社、電力会社、重電機メーカー、素材メーカー、印刷、製紙、不動産、建設、食品会社等、我が国の代表的な企業等の法律顧問として、多数の企業法務案件に関与している。

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