◆SH3164◆ベトナム:税務・税関監査に絡む贈賄容疑事件(2) 澤山啓伍(2020/05/26)

ベトナム:税務・税関監査に絡む贈賄容疑事件(2)

長島・大野・常松法律事務所

弁護士 澤 山 啓 伍

 

2. 本件での問題点と対応策

 当職がこれまで関与したり見聞きしているベトナムの状況からすると、残念ながら、本件は、いずれも、その交付された現金の金額を含め、驚くものではなく、むしろ氷山の一角、あるいはベトナムで直面する典型的事例であるように思われる。ここでは、以下の3点についてコメントしたい。

(1)事前準備と反論の重要性

 ベトナムでの税関・税務の監査の際には、当初監査チームから極端に恣意的な法令解釈や事実認定に基づいた過大な追徴額の提示が行われることが少なくない。これに対しては、日頃から法律、会計・税務の専門家の助言を得て、指摘を受けるような処理はしないようにしておくとともに、監査が入って指摘を受けた場合でも、その法的根拠・事実認定の適否について慎重に検討して、必要があれば正面から論理的に反論することが必要であろう。また、法的根拠の確認や事実の精査には時間を要することも多々あるところ、往々にして監査チームはごく短期間の回答期限を切って性急な回答を迫ってくることがあるが、このような性急な現金交付要請には応じず、反論を慎重に組み立てることが必要である。

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(さわやま・けいご)

2004年 東京大学法学部卒業。 2005年 弁護士登録(第一東京弁護士会)。 2011年 Harvard Law School卒業(LL.M.)。 2011年~2014年3月 アレンズ法律事務所ハノイオフィスに出向。 2014年5月~2015年3月 長島・大野・常松法律事務所 シンガポール・オフィス勤務 2015年4月~ 長島・大野・常松法律事務所ハノイ・オフィス代表。

現在はベトナム・ハノイを拠点とし、ベトナム・フィリピンを中心とする東南アジア各国への日系企業の事業進出や現地企業の買収、既進出企業の現地でのオペレーションに伴う法務アドバイスを行っている。

長島・大野・常松法律事務所 http://www.noandt.com/

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