◆SH0401◆最大判 平成27年3月4日 損害賠償請求事件(寺田逸郎裁判長)

【判示事項】

  1. 1  不法行為によって死亡した被害者の損害賠償請求権を取得した相続人が労働者災害補償保険法に基づく遺族補償年金の支給を受けるなどした場合に、上記の遺族補償年金との間で損益相殺的な調整を行うべき損害
  2. 2  不法行為によって死亡した被害者の損害賠償請求権を取得した相続人が労働者災害補償保険法に基づく遺族補償年金の支給を受けるなどしたとして損益相殺的な調整をするに当たって、損害が塡補されたと評価すべき時期

 

【判決要旨】

  1. 1  被害者が不法行為によって死亡した場合において、その損害賠償請求権を取得した相続人が労働者災害補償保険法に基づく遺族補償年金の支給を受け、又は支給を受けることが確定したときは、損害賠償額を算定するに当たり、上記の遺族補償年金につき、その塡補の対象となる被扶養利益の喪失による損害と同性質であり、かつ、相互補完性を有する逸失利益等の消極損害の元本との間で、損益相殺的な調整を行うべきである。
  2. 2  被害者が不法行為によって死亡した場合において、その損害賠償請求権を取得した相続人が労働者災害補償保険法に基づく遺族補償年金の支給を受け、又は支給を受けることが確定したときは、制度の予定するところと異なってその支給が著しく遅滞するなどの特段の事情のない限り、その塡補の対象となる損害は不法行為の時に塡補されたものと法的に評価して損益相殺的な調整をすることが相当である。

 

【参照条文】

 (1、2につき)民法709条、労働者災害補償保険法16条

 (2につき)民法412条

 

【事件番号等】

 平成24年(受)第1478号、最高裁平成27年3月4日大法廷判決 上告棄却 損害賠償請求事件(民集登載予定)

 原 審 東京高裁平成23年(ネ)第3957号 平成24年3月22日判決
 原々審 東京地裁平成20年(ワ)第2472号 平成23年3月7日判決

 

【判決文】

 

【解説文】