◆SH3005◆製造物責任(PL)法の期間制限に関する改正概要――期間伸長の内容及び改正理由と、民法改正整備法に基づく経過措置の適用有無 工藤良平(2020/02/14)

製造物責任(PL)法の期間制限に関する改正概要

――期間伸長の内容及び改正理由と、民法改正整備法に基づく経過措置の適用有無――

岩田合同法律事務所

弁護士 工 藤 良 平

 

 消費者庁は、令和2年1月29日、本年4月1日に施行される製造物責任法一部改正(以下「本改正」という。)の概要について説明する「民法(債権関係)改正に伴う製造物責任(PL)法の一部改正」と題する資料(以下「本資料」という。)を公表した。

 本改正前の製造物責任法5条1項においては、製造物責任に基づく損害賠償請求権の行使期間にかかる制限につき、①短期消滅時効として、被害者又はその法定代理人が損害及び賠償義務者を知った時から3年間行わないときは時効によって消滅する旨が定められる(同項前段)とともに、②長期の権利消滅期間として、製造業者等が当該製造物を引き渡した時から10年を経過したときも権利が消滅する旨が定められていた(同項後段)。また、③上記②の長期の権利消滅期間の起算点の特例として、身体に蓄積した場合に人の健康を害することとなる物質による損害又は一定の潜伏期間が経過した後に症状が現れる損害については、その損害が生じた時から起算する旨も定められていた(同条2項)。

 本改正は、上記のうち①及び②の点に関する改正であって、いずれも被害者救済の観点から、製造物責任に基づく損害賠償請求権の行使可能期間を伸長するものである。

 第一に、上記①の点に関する改正として、本改正後の製造物責任法5条2項では、人の生命又は身体を侵害した場合における損害賠償の請求権の消滅時効期間について、(知った時から3年ではなく)「知った時から5年」とする旨の規定が新設された。本資料では、改正理由について、(i) 人の生命又は身体という利益は、財産的な利益と比べて保護すべき度合いが強く、これに関する損害賠償請求権は権利行使の機会を確保する必要性が高いこと、及び(ii) 生命又は身体について深刻な被害が生じた後、通常の生活を送ることが困難な状況に陥るなど、被害者の速やかな権利行使が困難な場合が少なくないこと、と説明されている。

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(くどう・りょうへい)

岩田合同法律事務所アソシエイト。日本及び米国(NY州)弁護士。2002年東京大学法学部卒業。2006年コロンビア大学ロースクール(LL.M.)修了。2010年東京大学法科大学院修了。2013年シンガポール国際仲裁センター出向。国内外における紛争解決に加え、企業法務全般(特に国際商取引)に係る助言を行う。

岩田合同法律事務所 http://www.iwatagodo.com/

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1902年、故岩田宙造弁護士(後に司法大臣、貴族院議員、日本弁護士連合会会長等を歴任)により創立。爾来、一貫して企業法務の分野を歩んできた、我が国において最も歴史ある法律事務所の一つ。設立当初より、政府系銀行、都市銀行、地方銀行、信託銀行、地域金融機関、保険会社、金融商品取引業者、商社、電力会社、重電機メーカー、素材メーカー、印刷、製紙、不動産、建設、食品会社等、我が国の代表的な企業等の法律顧問として、多数の企業法務案件に関与している。

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