◆SH2974◆シンガポール:2020年に向けて――個人情報保護法の執行と改正の動向(下) 長谷川良和(2020/01/22)

シンガポール:2020年に向けて
個人情報保護法の執行と改正の動向(下)

長島・大野・常松法律事務所

弁護士 長谷川 良 和

 

 前回、「シンガポール:2020年に向けて――個人情報保護法の執行と改正の動向(上)」にて、シンガポール個人情報保護法の執行動向について紹介したのに続き、本稿では同法及びガイドライン改正の動向について、簡潔に紹介することとしたい。

 

3 近時の法令・ガイドライン改正動向

(1)主要ガイドラインの改訂(2019年10月9日付)

 2019年10月9日付けで、個人情報保護法の一定のトピックに係るガイドライン及び個人情報保護法の主要な義務及び用語について規定する主要概念ガイドラインがそれぞれ改訂された。とりわけ、以下の点に留意する必要がある。

 

  1. ① 情報受託者の起用と国外移転規制
  2.   事業者が個人情報処理目的で情報受託者を起用する場合には、当該事業者が個人情報の国外移転規制に係る責任を負う旨の考えが明確化された。この考えは、事業者が起用する国外の情報受託者に個人情報を直接移転させる場合か、事業者が起用する国内所在の情報受託者が個人情報処理目的で個人情報を国外移転させる場合かを問わず、適用される。そこで、事業者としては、個人情報の国外移転前に、情報受託者との間で一定の内容の契約を締結する等の適切な措置を講じる必要がある。
     
  3. ② アクセス要求がなされた場合の対応
  4.   個人情報保護法上、事業者は、情報主体から要求があった場合、原則として、速やかにその保有又は管理する個人情報と過去1年間の使用又は開示状況に係る情報を提供する義務を負う。今般のガイドライン改訂では、事業者がアクセス要求に応じる必要がない場合、アクセス要求対応時の費用請求、及びアクセス要求拒絶後の個人情報の保存に係る好ましい実務のあり方等に関する考え方が明確化された。

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(はせがわ・よしかず)

東京大学法学部卒業、同大学院法学政治学研究科修了、Columbia University School of Law(LL.M.)卒業。三菱商事株式会社勤務、Allen & Gledhill LLP(シンガポール)出向を経て、2013年1月から長島・大野・常松法律事務所シンガポール・オフィス勤務。

シンガポールを拠点に、シンガポール、マレーシア、ミャンマーを含む東南アジアその他アジア地域において、進出、日常的な法務問題、M&A、ジョイント・ベンチャー、危機対応、エネルギー・インフラ案件等、日系企業が直面する法律問題を幅広くサポートしている。

長島・大野・常松法律事務所 http://www.noandt.com/

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