◆SH2925◆企業法務フロンティア「グループガイドラインの手引き―つまみ食いのポイント(後編)」 水野信次(2019/12/10)

企業法務フロンティア
グループガイドラインの手引き

~ つまみ食いのポイント(後編)~

日比谷パーク法律事務所

弁護士 水 野 信 次

 

 本稿は、2019年6月28日、経済産業省が公表した、「グループ・ガバナンス・システムに関する実務指針」(グループガイドライン)の検討にあたってのつまみ食いのポイントの手引きを試みるものである。

 すなわち、各企業において、当該企業における最適なグループガバナンスの在り方を検討する際、グループガイドラインのどこを参照して当該企業の実務に即した指針として参照するのか、グループガイドラインのつまみ食いのポイントを大胆に手引きしたい。

 本編は、グループガイドラインの第4章から第6章を取り上げる最終編である。

 なお、以下でカッコ書き「(1.2【10】)」で記載している数字は、グループガイドラインの項数と頁数である。上記の例では、グループガイドラインの10頁に記載されている第1章「1.2 ガイドラインの位置づけ」を参照するものとしてご理解願いたい。

 

第4章 内部統制システムの在り方

 この章では、いわゆる「守りのガバナンス」に関連の深い内部統制システムの在り方について記載されている。グループガイドラインでは、グループガバナンスがテーマとされているが、この章では、特に、グループ経営に固有の問題にとどまらず、その前提となる法人単体とグループ経営に共通する論点についても、基本的な事項について整理をした上で、グループガバナンス固有の問題に架橋する構成となっている(1.4【12】)。

 そのうえ、グループガイドラインは、主として単体としての企業経営を念頭に作成されたCGCの趣旨を敷衍し、子会社を保有しグループ経営を行う企業においてグループ全体の企業価値向上を図るためのガバナンスの在り方をCGCと整合性を保ちつつ示すことで、CGCを補完するものであると位置づけられている(1.2【10】)。

 そのため、子会社を保有しグループ経営を行う企業であれば、グループガイドラインの主たる対象とされた大規模なグループ経営を行う会社でなくても必読の章といえる。

 特に、実効的な内部統制システムの構築・運営の在り方(4.6【77】)の記載は、複層的な3線ディフェンスの在り方が、企業アンケート結果や、先進的な日本企業や欧米企業の取組例から導き出されており、大変参考になる。

 その他の箇所も、同様に企業アンケート結果や取組例がふんだんに記載されており、一読に値するが、内部統制システムの意義(4.1【65】)、内部統制システムに関する現状と課題(4.2【66】)、内部統制システムの構築・運用に関する基本的な考え方(4.3【67】)などはCGCのおさらいであり、すでに通暁されておられる方々には見慣れた記載かもしれない。

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(みずの・しんじ)

日比谷パーク法律事務所 弁護士(パートナー)。1995年名古屋大学法学部卒業、2000年弁護士登録、三井安田法律事務所入所、2004年日比谷パーク法律事務所入所。
・昭和リース㈱社外監査役(2009年~現任)
・プロミス㈱「公開買付けに関する第三者委員会」委員長(2011年)
・ローランド㈱「マネジメント・バイアウト(MBO)の取引に関する第三者委員会」委員長(2014年)
・タキロン㈱(現タキロンシーアイ㈱)「シーアイ化成株式会社との経営統合に係る第三者委員会」委員長(2016年)
・㈱メルコホールディングス「シマダヤ株式会社との株式交換に関する第三者委員会」委員長(2017年)
・東都水産㈱「株式会社三陽またはその子会社への固定資産譲渡に係る関連当事者取引調査委員会」委員長(2017年)
ほか多数の社外役員・第三者委員会委員を歴任。

日比谷パーク法律事務所 http://www.hibiyapark.net/
所属する弁護士がそれぞれコーポレートガバナンス等の会社法、M&A、特許法・著作権法等の知的財産権法、ファイナンス法、スポーツ法、システム開発を含むデジタル法、紛争処理などの得意分野に精通し、各分野のトップランナーとして「少数精鋭」と呼ばれるにふさわしいリーガル・サービスを提供するブティック型ファーム。

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