◆SH2909◆日本経済再生本部、ODR活性化検討会(第3回) 大久保直輝(2019/11/28)

日本経済再生本部、ODR活性化検討会(第3回)

岩田合同法律事務所

弁護士 大久保 直 輝

 

1 ODR[1]活性化検討会とは

 ODR活性化検討会(以下「検討会」という。)とは、紛争の多様化に対応した我が国のビジネス環境整備として、オンラインでの紛争解決など、IT・AIを活用した裁判外紛争解決手続等の民事紛争解決の利用拡充・機能強化に関する検討を行うものである。委員には大学教授、弁護士のほか、民間企業に所属する者も含まれる。検討会は非公開であるものの、検討会の終了後、議事要旨及び配布資料が公表されている[2]

 本稿では、公表された配布資料等に基づき、検討会開催に至る経緯や検討の状況を紹介する。

 

2 検討の背景

  1. ⑴ 成長戦略フォローアップ
  2.    検討会は、「成長戦略フォローアップ」を受けて開催されたものである。「成長戦略フォローアップ」は、令和元年6月21日に閣議決定された我が国の成長戦略の具体策を示したものであり、民事訴訟に関する裁判手続等の全面IT化の実現と共に、裁判外紛争解決手続などの民事紛争解決の利用拡充・機能強化についても、検討を行い、基本方針について2019年度中に結論を得ることとしている。
     
  3. ⑵ 裁判外紛争解決手続のIT化・利用促進
  4.    近年、我が国においては顕在化する紛争解決申立事件(民事訴訟等)の件数は全体として減少傾向にあるとされているものの、それは法的トラブルの減少を意味するものではなく、妥当な手続を試みていない潜在的紛争が多数存在することが指摘されている(第2回ODR活性化検討会事務局資料[3])。
  5.    検討会においては、紛争解決に至る検討・交渉・相談・ADRの各段階における情報不足、電話・対面・書面による手続の負担感など司法アクセスへの阻害要因が指摘され、IT・AIの活用によりかかる阻害要因を取り除くことが総論的課題とされている。
  6.    検討の対象となる「ODR」の範囲は、裁判外紛争解決手続の実施段階のみならず、その前段階をも含むものであり、これらの各フェーズにおける司法アクセスや紛争解決機能の向上を図るため、IT・AIの活用可能性を検討することとされている。

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(おおくぼ・なおき)

岩田合同法律事務所アソシエイト。2013年中央大学法学部修了。2015年1月判事補任官。新潟地方裁判所勤務を経て、2018年4月「判事補及び検事の弁護士職務経験に関する法律」に基づき弁護士登録。

岩田合同法律事務所 http://www.iwatagodo.com/

<事務所概要>
1902年、故岩田宙造弁護士(後に司法大臣、貴族院議員、日本弁護士連合会会長等を歴任)により創立。爾来、一貫して企業法務の分野を歩んできた、我が国において最も歴史ある法律事務所の一つ。設立当初より、政府系銀行、都市銀行、地方銀行、信託銀行、地域金融機関、保険会社、金融商品取引業者、商社、電力会社、重電機メーカー、素材メーカー、印刷、製紙、不動産、建設、食品会社等、我が国の代表的な企業等の法律顧問として、多数の企業法務案件に関与している。

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