◆SH2907◆企業活力を生む経営管理システム―高い生産性と高い自己浄化能力を共に実現する―(第79回) 齋藤憲道(2019/11/28)

企業活力を生む経営管理システム

―高い生産性と高い自己浄化能力を共に実現する―

同志社大学法学部
企業法務教育スーパーバイザー

齋 藤 憲 道

 

2.「高い自己浄化能力」を備えるための要件

(1) 自助努力で「自己浄化能力」を高める 規範、内部統制、内部監査、内部通報他

⑤ 再発防止策を徹底する(人事処分について)

 企業では、事業に関連して事故・事件が発生すると、応急措置を行ったうえで、再発防止のための恒久措置を講じる。

 恒久的な再発防止策としては、事故・事件の原因を100%除去し、除去したことによる弊害も生じないようにするのが上策である。再発した事故等を直ちに最初に発見して対策するのは並みの策で、再発事故等が社内外に知れた段階で応急措置を行うのは下策である。

 「自己浄化能力」が高い企業は、異常・不正行為が発生すると、上策を指向する。

 各種の不祥事において採られる人事的な措置について、以下に記す。

1) 人事処分

 再発防止策としては、人事処分が有効であり、違法行為を行った者を厳重に処分する旨[1]を就業規則に規定する企業が増えている。(法律も重罰化の方向にある。)

  1. (注) 人事処分を厳格化すると、処分される者が口を閉ざして、「不祥事の隠蔽」を招く可能性がある。従って、重罰化と合わせて、日常の業務プロセスの過程で不祥事や規範逸脱を「見える化」する手法(内部通報制度を含む)を導入し、可能な限り早期に(逸脱が軽微なうちに)是正措置を講じたい。

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(さいとう・のりみち)

1971年東京大学法学部卒業。同年松下電器産業㈱に入社し、営業、経理、経営企画、法務の業務を担当。松下電子部品㈱経営企画室長、松下電器産業㈱法務本部法務部長、JVC・ケンウッド・ホールディングス㈱監査役等を経て、2009年パナソニック㈱を退職。損害保険ジャパン日本興亜㈱ 業務品質・コンプライアンス委員会委員長を歴任。

また、内閣府消費者委員会委員(2015年秋退任)、消費者安全調査委員会臨時委員(現)、製品事故判定第三者委員会合同会議議長(現。消費者庁と経済産業省合同)、国民生活センター紛争解決委員会委員(現)、経済産業省産業構造審議会臨時委員、神戸市公正職務審査会委員(現)




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