◆SH2865◆最二小判 平成30年12月7日 不当利得返還等請求事件(三浦守裁判長)

 金属スクラップ等の継続的な売買契約において目的物の所有権が売買代金の完済まで売主に留保される旨が定められた場合に、買主が保管する金属スクラップ等を含む在庫製品等につき集合動産譲渡担保権の設定を受けた者が、売買代金が完済されていない金属スクラップ等につき売主に上記譲渡担保権を主張することができないとされた事例

 金属スクラップ等の継続的な売買契約において目的物の所有権が売買代金の完済まで売主に留保される旨が定められた場合に、上記契約では、毎月21日から翌月20日までを一つの期間として、期間ごとに納品された金属スクラップ等の売買代金の額が算定され、一つの期間に納品された金属スクラップ等の所有権は、当該期間の売買代金の完済まで売主に留保されることが定められ、これと異なる期間の売買代金の支払を確保するために売主に留保されるものではないこと、売主は買主に金属スクラップ等の転売を包括的に承諾していたが、これは売主が買主に上記契約の売買代金を支払うための資金を確保させる趣旨であると解されることなど判示の事情の下においては、買主が保管する金属スクラップ等を含む在庫製品等につき集合動産譲渡担保権の設定を受けた者は、売買代金が完済されていない金属スクラップ等につき売主に上記譲渡担保権を主張することができない。

 民法176条、369条(譲渡担保)、369条(所有権留保)

 平成29年(受)第1124号 最高裁平成30年12月7日第二小法廷判決 不当利得返還等請求事件 上告棄却(民集72巻6号1044頁)

 原 審:平成28年(ネ)第2611号 東京高裁平成29年3月9日判決
 原々審:平成27年(ワ)第11000号 東京地裁平成28年4月20日判決