◆SH2880◆民事司法改革シンポジウム 民事司法改革の新たな潮流 ~実務をどう変えるべきか~⑦・完(2019/11/12)

民事司法改革シンポジウム
民事司法改革の新たな潮流~実務をどう変えるべきか~⑦・完

◇開催日 2019年3月23日(土)午後1時~午後4時

◇会 場 弁護士会館2階講堂クレオ

第2部 パネルディスカッション

「利用者の視点から実務の課題と解決策を議論する」

パネリスト

主婦連合会会長 有田芳子

神戸大学大学院法学研究科教授 窪田充見

日本経済団体連合会ソーシャル・コミュニケーション本部長 長谷川雅巳

慶應義塾大学大学院法務研究科教授 三木浩一

元日本経済新聞社論説委員・元法テラス理事 安岡崇志

日弁連・民事司法改革総合推進本部本部長代行 小林元治
 

コーディネーター

日弁連・民事司法改革総合推進本部副本部長 出井直樹

 

窪田 それでは、私のほうから損害賠償について、少しお話をさせていただきたいと思います。かなりお疲れになっていると思いますので、できるだけコンパクトにとは思っております。
 先ほど損害賠償の役割、不法行為法の役割ということについてお話をして、やや唐突な印象を与えたかもしれませんが、普通は大学時代に習うのは、損害賠償法というのは損害の回復であって、制裁ではない、制裁は刑法の役割だということで、民刑分離ということが言われるわけですが、ただ、実は損害賠償というのは、それが制裁であるということを認めたとしても、刑法とどういうふうにすみ分けをするのかということがあります。
 その点はあるのですが、おそらく損害賠償法の最も重要な役割というのは、その主体が自らイニシアティブを握って損害の回復を実現する、そして、それが同時に制裁であるとか、不法行為の抑止につながるという部分なのだろうと思います。
 これは、古くから言われてきている「私人による法の実現」ということになるわけですが、そうした側面は、別にそうしたことが強調されてきたアメリカ法に限るものではなくて、我が国においても、今後より重視されていっていいのではないかというのが、私自身の基本的な考え方です。
 その上で、現在の損害賠償法に関してどういう問題があるのかといいますと、特定の意味での差額説というのが、非常に強い拘束力をもって我が国の不法行為法を拘束してしまっているのではないかということです。差額説は通説だというのは一般的な説明ではあるのですが、ただ実は30年ほど前の教科書を見ますと、不法行為の成立要件として権利侵害と損害、因果関係とか、故意、また過失があるわけですが、権利侵害と損害との違いの説明として、こんな例を挙げている教科書があるんですね。

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