◆SH2842◆企業活力を生む経営管理システム―高い生産性と高い自己浄化能力を共に実現する―(第70回) 齋藤憲道(2019/10/24)

企業活力を生む経営管理システム

―高い生産性と高い自己浄化能力を共に実現する―

同志社大学法学部
企業法務教育スーパーバイザー

齋 藤 憲 道

 

5. 企業活動全体が対象になる法規制の遵守

(1) 取引を規制する法令(貨物・技術等の輸出入規制、取引規制)

① 輸出入規制

 どの国も、自らの国益を守るために、輸出入規制を行っている。船・航空機・自動車・鉄道等を利用して行う「貨物」の輸出入だけでなく、出張者が携行(ハンドキャリー)する「手荷物」も対象になる。

 「技術」輸出は、インターネット・郵送(文書、サンプル)を利用して、又は、国内滞在の非居住者に手渡すことによって容易に行うことができるので、規制対象の技術を保有する企業では、社内で特別な許可を得ない限り送信・持出・手交等できない仕組みを作る必要がある。

 1) 外為法

 輸出入の禁止・規制を定める。(安全保障貿易管理、国連制裁国に対する貿易規制等)

  1. ・ 安全保障貿易管理の対象品目に該当するか否かを判定する「該非判定」には、技術知識を必要とすることが多く、該当分野の技術者の関与が欠かせない。輸出入の都度「該非判定」を行うのは、多数の係員(多くは技術者)を必要とし、極めて効率が悪い。そこで、専門家が行った「該非判定」の結果を製品・部品・原材料・機械装置等のマスター・ファイルに登録し、それを社内の輸出入手続き(コンピュータ・システム)の中でチェック・リストとして用いることにすると効果的である。
    ただし、登録・運用する「該非判定」データは、常に、最新の法令に基づくものでなければならない。
  2. ・ 間接(迂回)輸出も規制されるので、厳しく管理する。
     

 2) 関税法

 輸出入の禁止物品を定める。(アンチ・ダンピング規制対象品目を含む。)

  1. ・ 外為法・文化財保護法・食品衛生法・その他の法令により、貨物の輸出入について、経済産業大臣・文化庁長官・厚生労働大臣・その他の官庁の許可・承認を必要とする制度が設けられている場合は、輸出入申告又はそれに係る税関審査の際に、許可・承認を受けた旨を税関に証明して確認を受けた貨物に限り、輸出入が許可される。(関税法70条)

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(さいとう・のりみち)

1971年東京大学法学部卒業。同年松下電器産業㈱に入社し、営業、経理、経営企画、法務の業務を担当。松下電子部品㈱経営企画室長、松下電器産業㈱法務本部法務部長、JVC・ケンウッド・ホールディングス㈱監査役等を経て、2009年パナソニック㈱を退職。損害保険ジャパン日本興亜㈱ 業務品質・コンプライアンス委員会委員長を歴任。

また、内閣府消費者委員会委員(2015年秋退任)、消費者安全調査委員会臨時委員(現)、製品事故判定第三者委員会合同会議議長(現。消費者庁と経済産業省合同)、国民生活センター紛争解決委員会委員(現)、経済産業省産業構造審議会臨時委員、神戸市公正職務審査会委員(現)




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